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2023.06.22

第3回AIR Cafe(アイルカフェ)では、「目に見えない水をどう計測するか?」について熱い議論が交わされました。

2023年6月17日(土)に開催されたAIR Cafe (アイルカフェ)#003。第3回目は、金沢大学理工研究域フロンティア工学系・瀬戸章文(たかふみ)教授と、九州大学次世代接着技術研究センター・山本智教授をお迎えして、「水を計測する」をテーマにZOOMでご参加のみなさんとともに語り合いました。

瀬戸章文教授のご専門は「微粒子」の研究。コロナなどのウィルスやPM2.5などのエアロゾルと呼ばれる、目に見えない空気中に浮遊するさまざまな微粒子の計測から生体への影響に至るまで。環境・エネルギー・医療など研究分野は多岐に渡りますが、マスクや空気清浄機のフィルターの研究開発のように私たちの暮らしに直結しているものがたくさんあります。

今回は水をテーマに「雲をつかむ~空気中の水分子と水粒子の境界」と題し、水や微粒子が空気中でどのように存在して何をしているのかというお話を中心に、超微細水粒子AIR(アイル)が、空気中に放出されてどんなサイズで存在しているかを計測した研究成果から、1~2nmの粒子径で存在する可能性についても解説されました。

山本智教授は分子や原子間に働く力をもとに物質の挙動を解明する計算法「分子シミュレーション」を用いてさまざまな物質の特性を解明されており、現在は、モノが接着する境界で起こっている詳細な分子の動きを分子シミュレーションを用いて研究されています。

今回のテーマは「改めて知る水のすごさ~水分子が見せる驚きの挙動」。水分子から見る水の特性について、また、超微細水粒子AIR(アイル)が特殊な膜に吸着して膜の中でどう存在しどのように放出されるかについて、シミュレーション動画を交えて解説。特に、膜の表面が疎水性か親水性かで水粒子が全く異なる動きをする様子は衝撃的でした。

超微細水粒子のAIR(アイル)は、「空気中の水分を特殊な膜に吸着して放出する」というアイシンの新技術で放出される超微細水粒子のこと。山本教授は、この水粒子が特殊な膜に吸着して膜の中でどう存在し、どのように放出されるかについて、瀬戸教授は超微細水粒子が放出されて空気中でどのようなサイズでどのようにふるまうのかについて研究されていますが、そこから見えてくる水分子や粒子の特性から、水の不思議が解き明かされる可能性はあるのかなど、今後の研究が非常に楽しみな内容でした。

* AIR=こちらのAIR(アイル)は、アイシンの新技術から生まれた超微細水粒子の名称で、AQUA(水)/ INNOVATIVE(革新的)/ RUDIMENT(原理)の頭文字による略語です。

ZOOMでご参加の先生方との議論も熱く、水研究について新しい課題も見えてきた第3回のAIR Café。この模様については、のちほどこのWEBマガジン内で解説記事とともに動画もアップする予定です。第1回から順に掲載していく予定ですので、お楽しみに!
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AIR Cafe#003は株式会社アイシンの東京オフィス(赤坂)から配信。(写真左から)アイシンのAIR研究開発グループ・田端友紀グループ長、九州大学・山本智教授、金沢大学・瀬戸章文教授、AIRマガジン編集長・中能 泉、写真:伊藤晴世