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お知らせ
ナノサイズ微細水粒子が皮膚バリア機能を高め、アトピー性皮膚炎の症状を抑制する効果を報告
「ナノサイズの微細水粒子がセラミドを増やして、肌のバリア機能を高める」、そんな研究結果が発表されたのは、第124回日本皮膚科学会総会(2025年5月28~6月1日/パシフィコ横浜)で、5月31日に開催された株式会社アイシン共催のランチョンセミナーでのことです。

座長は、東京都済生会中央病院の海老原 全院長、藤田医大ばんたね病院総合アレルギー科の矢上晶子教授が務め、「ナノサイズ微細水粒子が皮膚バリア機能へのアプローチを変える」と題して行われたこのセミナーのテーマは、株式会社アイシンが開発した「ナノサイズ微細水粒子」を当てると皮膚にどのような作用が生じるのかについて。今回は、昨年発表された「ナノサイズ微細水粒子が皮膚バリア機能を高める可能性」を裏付ける研究成果が報告されました。
最初に、群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学の茂木精一郎教授が、「アトピー性皮膚炎における保湿・皮膚バリアの役割について」と題し、最新の知見における皮膚の保湿やバリアの役割について解説。さらに、マウスを用いた実験で、ナノサイズ微細水粒子がアトピー性皮膚炎の発症を抑制する可能性を報告しました。
城西大学薬学部の藤堂浩明教授は、昨年発表したナノサイズ微細水粒子が皮膚の角層でセラミド産生を促す可能性について、さらなる研究でその効果を発表。実際に、皮膚トラブルを抱える人が顔にナノサイズ微細水粒子をある期間浴びるだけで、角質水分量やセラミド量が増加したことも報告しました。
最後は、野村皮膚科医院の野村有子院長による「ナノサイズ微細水粒子適用によるアトピー性皮膚炎症状の改善効果」について。野村院長はこれまでもナノサイズ微細水粒子によるアトピー性皮膚炎の改善効果を報告されてきましたが、今回は、重度のアトピー性皮膚炎の患者に通常治療と併用する形でナノサイズ微細水粒子を使用した結果、併用前よりも高い改善効果が得られたと報告しました。
皮膚にはいくつかのバリア機能が備わっていますが、最大のバリアは、皮膚の最も外側の角層で細胞間を埋め尽くしている細胞間脂質。主にセラミドなどの脂質で構成され、アトピー性皮膚炎はこのバリア機能が弱い人に多く見られる皮膚の炎症を伴う病気です。今回報告されたのは、ナノサイズ微細水粒子によってセラミドが増えたという結果や、バリア機能が改善したという驚くべき結果。それによって、アトピー性皮膚炎の症状が改善するという効果が確認されました。
はたして微細水粒子は特殊な水として生体にどんなメリットをもたらすのか。メカニズムを含めて研究は進行中です。今回のセミナーの内容については、本サイトの「水を探る/Reserch」のページで詳しく紹介する予定ですので、お楽しみに。
