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2025.9.4

ナノサイズ微細水粒子が、デリケートゾーンや敏感肌にも効果を発揮━━美容皮膚科学会で発表

「ナノサイズ微細水粒子の肌適用の可能性」と題して行われた今回のセミナー。アイシンが開発した「ナノサイズ超微細水粒子」はこれまでにアトピー性皮膚炎への作用や、成分導入・長時間保湿作用、赤みの軽減など、皮膚へもたらす作用についてさまざまな報告がされてきました。

写真上(左)講演中のちはるクリニック 金森千春院長、(中央)WOVEクリニック中目黒 高瀬聡子総院長、(右)HILLS GRACE CLINIC奥謙太郎院長

今回は、新たに、微細水粒子が女性のデリケートゾーンへ及ぼす作用について、また、皮膚の保湿効果においてバリア機能を高める可能性とレーザー前後に微細水粒子を適用することでダウンタイムを減少させる可能性について等、幅広い適用とその作用についての発表がありました。座長は、青山エルクリニックの杉野宏子院長、順天堂大学医学部皮膚科講座の木村有太子先生が務めました。

はじめに、HILLS GRACE CLINICの奥謙太郎院長がナノサイズ微細水粒子について解説。約1.4nm(ナノメートル)という微細なサイズで安定的に存在する特異な微細水粒子が、「皮膚に有効成分を運ぶドラッグデリバリーシステム(DDS)として働く」こと、「セラミドの産生を増加させバリア機能を強化する可能性がある」こと、「安全である」ことなど、その特性を紹介しました。

次に、ちはるクリニッの金森千春院長が発表したのは、ナノサイズ微細水粒子による女性のデリケートゾーンへの効果について。自身のクリニックが美容皮膚科を併設する婦人科で、最近増えている女性のデリケートゾーンのかゆみや色素沈着等の悩みに微細水粒子が有効であることから、どのように作用するのかを検証。有効性の高さとともに、非接触・非侵襲、刺激がなく保湿できることも婦人科系の皮膚疾患に適していると話しました。

WOVEクリニック中目黒の高瀬聡子総院長は、最近増えている敏感肌の患者に、ある期間、ナノサイズ微細水粒子を用いたところ、角質水分量だけでなくセラミド量が増加し、特に赤み、シワ、毛穴、たるみ等の皮膚トラブルの改善を報告。2種類の導入剤を用いて、被験者の半顔のみに1種類ずつ使用しましたが、どちらの導入剤でも有効性が見られただけでなく、微細水粒子のみの半顔でも改善効果が見られ、セラミド量の増加も確認。微細水粒子単独での可能性にも期待がもてる結果となりました。

HILLS GRACE CLINICの奥院長は、「微細水粒子のポテンシャル:レーザー治療との組み合わせによるメリットの最大化」と題して、昨年に続き、ナノサイズ微細水粒子の炎症抑制効果に着目し、シミやシワなど目的別に用いられる様々な波長のレーザーや高周波などの治療後だけでなく、治療前に用いることでも、治療のダウンタイムを軽減する可能性が示唆されました。治療前と治療後の両方で行うとより炎症抑制効果が得られる可能性も高まります。

ナノサイズ微細水粒子が、美容や皮膚領域で、痛みや刺激のないドラッグデリバリーを実現するだけでなく、それ自身がセラミド産生を促すことで肌の改善に役立つこと、また、レーザー治療の前後に浴びるだけでダウンタイムの軽減を行えること、さらには、女性のデリケートゾーンのかゆみや色素沈着等の症状を改善することで婦人科領域でも有益で役立つことがわかり、今後もさまざまな分野や場面での効果が期待されます。

写真:上・左から、HILLS GRACE CLINIC・奥謙太郎院長、ちはるクリニック・金森千春院長、WOVEクリニック中目黒・高瀬聡子総院長。下・左から、座長の青山エルクリニック・杉野宏子院長、順天堂大学医学部皮膚科講座・木村有太子先生。