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お知らせ
アトピー性皮膚炎の症状改善から見えてきた─ナノサイズ微細水粒子の肌へのメカニズム
「ナノサイズの微細水粒子が皮膚に与える効果」について、これまでもさまざまな学会報告がされてきましたが、先日行われた第125回日本皮膚科学会総会(2026年6月11~6月14日/京都国際会館)でも、「ナノサイズの微細水粒子による皮膚バリア機能への作用に迫るーアトピー性皮膚炎の長期治療への可能性」と題した研究結果が、株式会社アイシン共催のイブニングセミナーで発表されました。
アイシンが開発した「ナノサイズ微細水粒子」によってアトピー性皮膚炎の症状が改善したという報告とともに、実際にナノサイズ微細水粒子を浴びることで皮膚では何が起きているのかという謎に迫る基礎研究成果も示されました。座長は、東京都済生会中央病院の海老原 全院長、順天堂大学医学部皮膚科講座・木村有太子先生が務めました。
細胞死が起こるとき、細胞の水が大きく変化する
最初に、皮膚の細胞死の視点から「皮膚の表皮角層形成過程における水の役割」について発表したのが、東京工科大学応用生物学部の松井毅教授です。これまで表皮細胞は顆粒層で死んで角質細胞になることは知られていましたが、この細胞死こそが角質でバリアを構築するメカニズムを担っていることを発見したのが当時理化学研究所にいた松井教授のグループ。コルネオトーシスと命名されたこの特殊な細胞死は皮膚科学における新しい概念として、今、注目を集めています。松井教授は、コルネオトーシスの際に、細胞内のカルシウム濃度やpHの変化が起こり、それと連動して水の状態が変化すること、つまり、水は単に保湿するだけでなく、細胞の機能に関与する可能性に言及。しかも、この細胞死が角層のpHに変化をもたらし、バリア機能の形成に重要な役割をしていることも示唆されました。松井教授の知見を用いた微細水粒子の機能解明への挑戦に期待が高まります。
肌の炎症を抑え、アトピー性皮膚炎の遺伝子発現を変える
群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学の茂木精一郎教授は、「ナノサイズ微細水粒子によるアトピー性皮膚炎モデルマウスにおける炎症とバリア機能異常への効果」と題し、昨年に続きアトピー性皮膚炎モデルマウスを用いた実験で、ナノサイズ微細水粒子を当てた場合と当てない場合では、炎症反応に変化がみられたことや、アトピー性皮膚炎関連遺伝子の発現に明確な違いがみられたという最新の研究成果を発表しました。
アトピー性皮膚炎重症患者の改善効果が高まる
最後は、野村皮膚科医院の野村有子院長による「ナノサイズ微細水粒子の長期使用による重症アトピー性皮膚炎患者の症状改善効果」について。野村院長はこれまでもナノサイズ微細水粒子によるアトピー性皮膚炎の改善効果を報告されてきましたが、今回は、前回の重度のアトピー性皮膚炎の患者に、さらに長期間にわたり治療薬と併用する形でナノサイズ微細水粒子を使用した結果、前回以上の改善効果が得られたことを報告しました。
今回の発表で、約1nmという微細な水粒子がアトピー性皮膚炎の炎症を抑え、遺伝子発現を変化させることが実験結果で示され、アトピー性皮膚炎の重症患者の改善効果にも大きく作用することがわかってきました。水は皮膚の細胞死と角質の機能を左右する要因になることも示され、微細水粒子が肌の角層のバリア機能そのものに大きく関わる可能性が高まりました。ナノサイズという微細な水粒子が生体の中で起こすさまざまな現象、その解明に向けてのチャレンジはこれからも続きます。