水を知る
AQUA / Life
Dermatology
水と肌
実際に肌は水で満たされているの?
肌は潤っていることが大事、とよくいいますよね。でも、肌の潤っている状態って具体的にどういうことなのでしょうか。潤いに欠かせないのは「水」だと考えられますが、実際に肌は水で潤っているのでしょうか。
皮膚は、大きく「表皮」と「真皮」「皮下組織」に分かれています。場所によって異なりますが、だいたい平均で2㎜程度の厚さです。
表皮では、細胞が次々と生まれては死んでいく「細胞の生まれ変わり」が繰り返されています。いわゆるターンオーバーといわれるシステムで、そのおかげで、健康な肌を保つことができます。紫外線や外からの刺激でできたシミのもとやダメージが肌に残らずにいられるわけです。
真皮は、表皮の厚さの15 ~ 40 倍といわれていて、その中はコラーゲン線維が大部分を占め、それをエラスチンが束ねることで弾力が備わり、その間をヒアルロン酸などのゼリー状の物質が水分をたっぷり抱えて満たしています。そこにはコラーゲンやヒアルロン酸を生み出す母細胞の線維芽細胞もあります。
では、実際に肌が水で潤っているのかというと、真皮では約70%が水分。でも、表皮の外側にいくにつれてどんどん減少していき、一番外側の角層の水分量は20 ~ 30%程度といわれています。
でも、この水分量の最も少ない角層こそが「潤いの要」といわれています。それはなぜでしょうか。
角層には、表皮で誕生した角化細胞(ケラチノサイト)が変化して最終的に死んだ細胞が10 ~15 層ぐらい重なっています。死んだ細胞の中にもNMF(天然保湿因子)が含まれていて水分を蓄えています。細胞の周りは主にセラミドといわれる脂質と水分子がラメラ構造(液晶構造)の層を作る「細胞間脂質」で埋め尽くされています。その細胞間脂質と肌の一番外側にある皮脂膜が肌の最強のバリアとなって、外部から肌を守るだけでなく、肌から水分が逃げていくのを防いでいるのです。
本来、肌の水分は体の内側から生まれ、一番外側の角層のバリア機能が水分を逃さない防波堤となって肌の潤いは保たれている──角層が「潤いの要」といわれるのはそういう理由から。防波堤となる角層はわずか0.02㎜、ラップ1枚ほどの薄さで体を乾燥から守っているのです。
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