水を知る
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水のカタチ
雨上がりの空にかかる虹。なかなか見ることができないためか、見るととても得をした気分になりますよね。虹ができるには、「水」「太陽の光」「見る私たち」という3つの材料が必要だといわれています。
「太陽の光」が無数の「水滴」に入って反射した光を「私たちが見る」ことで、虹ができるのです。そのとき、私たちの前方の空気中にたくさんの水の粒があり、私たちの後ろに「太陽」があって強い光を放っていることが条件になります。
太陽の光をプリズムに当てると虹のような色の帯ができますが、虹はまさにこれと同じ原理。空気中に無数の水滴のスクリーンができていて、私たちの後ろから太陽の光が差すと水滴に光が入り、すると光は水滴の中で屈折して反射します。光の波長によって、水滴で屈折、反射する角度が異なるため、それぞれの色が別々の層になり、私たちの目には虹色の帯に見えるというわけです。
太陽の白っぽく見えている光は、目に見えないたくさんの光で構成されています。光は波長によって私たちの目に色として映ります。波長の長い順から、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫で、最も波長の長い部分は赤色に見え、短い波長の部分が紫色に見えるのです。虹の大きさは、水の粒の大きさや水の粒が作るスクリーンの規模によって決まります。
幸運のサインとされることもあるダブルレインボーは、濃い色の虹の外側に薄い色の虹ができる現象ですが、実は、虹ができるときは常に2重の虹ができているといわれています。はっきり見える主虹に対して、外側にうっすらできる虹を副虹といいますが、色が薄いために観測しにくく、見えたときはラッキーというわけです。
主虹は、波長の長い赤を一番上に、橙・黄・緑・青・藍・紫の順に並んでいますが、副虹はこれとは逆に波長の短い紫を一番上に、藍・青・緑・黄・橙・赤の順に並んでいます。これは、反射の仕方が異なるためで、主虹は1回の反射、副虹は2回の反射で光を届けるためだといいます。
虹は色彩学上では7色とされていますが、これは万有引力の法則で有名なニュートンが7色と決めたからなのだとか。現代では、米国や英国では一般的に藍を入れずに6色、ドイツはさらに橙を入れずに5色が一般的とのことで、4色、3色とする国もあり、虹の色の数は国や地域によって異なるようです。
実際に虹をつくって確かめてみるのも面白そう。太陽が出ているときに、太陽に背中を向けて立って霧吹きしてみましょう。シュッと吹きかけて一瞬できる小さな水の粒のスクリーンに虹のような弓状の色の帯が現れます。ホースで水まきでもOK。虹の背景に木々の緑や黒い色のものがあればより色がはっきり見えそうです。
ちなみに、空にかかる虹を探すコツは、雨がやんで日が差したら太陽を背にして空を見上げる、これにつきるよう。こんな簡単なことなのになかなかお目にかかれないのは、条件が揃うことが少ないからなのかもしれません。でも、雲が虹色に輝いて見える「彩雲」なら比較的簡単に出会えるといいます。
発生する条件は虹と同じで太陽の光と水ですが、虹とはちょっとメカニズムが異なります。雲は雲粒と呼ばれる水の粒が集まってできていますが、太陽光がその水の粒を回り込んで進むために波長の長さで回り込む角度が異なり、色が分かれて見えるようになるのだとか。太陽が雲に隠れているときに雲のふちのあたりを見ていると虹色になっていることがあるのがそれで、雲のふちにある雲粒のサイズが小さいためにきれいに光が分かれて繊細な虹色になるといいます。条件が合えば、雲全体が虹色に輝いて見える鮮やかな「彩雲」にも出会えそうです。
彩雲は太陽の近くの雲でできるため、虹とは逆に雲に隠れた太陽を見上げるのが出会えるコツ。ただし、くれぐれも太陽光を直視しないようにサングラスをかけて見てくださいね。スマホの画面から目を離して空を見上げる機会を増やすと、水と太陽が織りなすステキな作品に出会えるかもしれません。
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